教育研究上の目的

現代の物質科学は多岐に細分化され、その理解と実践躬行には極めて高度な専門性が必須である。本専攻では、物質科学の各分野の学術的内容を深く理解し、各教育プログラムで修得した能力を生かして学術、産業、教育の発展に寄与できる人材の育成を教育研究上の目的とする。

物理学プログラム

自ら作製した新物質を測定している大学院生
物理学プログラムでは、自然科学の基礎となる物理学の研究を通じて、研究や科学技術分野で必要な論理的で柔軟な思考力と問題解決能力をもつ高度な技術者および研究者の養成を行っている。物理学プログラムでは、極微のスケールから宇宙の巨視的スケールまでの諸階層において、構成基本粒子の構造と反応機構や基本粒子間の相互作用の仕組を明らかにする研究、宇宙における高エネルギー現象の解明を目的とする実験的研究、最新の量子科学的手法(中性子散乱、μSR、放射光や種々の数値的?解析的理論計算など)を駆使し凝縮体の構造やダイナミクスの解明?新物質の作成とその多重極限環境下での物性の測定に関する研究を行っている。これらを通じて、種々の物質構造の基本や量子科学についての基本的な理解はもちろん、研究にかかわる計算?観測?実験を通して、広く問題解決能力と、情報処理能力を備えた国際的にも通用する人材の育成をはかっている。

物理学プログラム のホームページ

基礎化学プログラム

基礎化学プログラムでは、「物質とは何か」というシンプルかつ深淵なるテーマについて、理学的視点に立って教育および研究を行っている。すなわち、無機、有機を問わずさまざまな物質の反応や性質を研究し、構成原子や分子の構造を調べ、新たな物質を合成し、さらに機能性の発現を目指している。6000万種類という膨大な数の物質が知られ、実際に使用されている現代社会においては、物質の性質や構造および機能を研究することは非常に重要である。教育においては、化学の研究者、教育者、技術者またはその周辺領域の科学を専攻するものに必要な知識と技術の習得、問題を発見し解決できる能力の開発、さらに自然科学における「化学」の役割を理解し、その重要性を認識した広い視野をもつ社会人の育成を目指している。この目的を効果的に達成するために、専門分野の講義や学外の講師による特別講義、研究室における論文輪講や研究報告会が行われる。さらに修士論文作成のために一つの研究課題に取り組み、研究の最前線を体得する。

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応用化学プログラム

循環式反応装置による触媒の評価
応用化学プログラムでは、地球環境との調和を目指した材料の合成、解析、あるいは分析に関する教育と研究活動を行っている。研究に関しては、3つの専門分野(無機材料化学?触媒化学分野、有機材料化学?プロセス工学分野、分析化学?物理化学分野)において、触媒、セラミックスなどを中心とした無機材料物質の開発、機能性色素、液晶、有機高分子などを中心とした有機材料物質の開発、分離化学を駆使した新規な分析法および分析技術の開発、界面選択的な新規非線形レーザー分光法の開発と応用を推進している。教育においては、各専門分野における研究開発を高度な技術をもって主体的に行うことができ、かつ国際的視野と社会的責任感を有する人材の育成を目標としている。この目標を達成するため、各分野の最先端の研究内容を取り入れた専門教育を実施するとともに、各自の研究成果の口頭発表および討議を通してコミュニケーション能力と論文作成能力を涵養する教育を行っている。

応用化学プログラムのホームページ

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