教育研究上の目的

生物のゲノム構成とその支配下にある生体分子の構造と機能から生命の仕組みを理解するための教育と、遺伝子、細胞、組織、器官、及び個体レベルにおける生命現象の制御の仕組みを理解するための教育を行うとともに、最先端の研究活動に参加する機会を提供する。これらを通して生命の基本現象を深く理解し、国際的に活躍する研究者や技術者、教育者として、食料?環境?医療など社会が抱える諸問題に取り組み、諸分野の発展に寄与できる人材の育成を教育研究上の目的とする。

分子生物学プログラム

鉄硫黄クラスター生合成マシナリー中心成分、IscUの結晶構造非対称な三量体構造の中に1つの鉄硫黄クラスターを含んでいる

分子生物学プログラムでは、核酸?タンパク質?糖質?脂質などの生体分子、および生物のゲノム情報を鍵として、生命現象の包括的な理解を目指した基礎研究、さらにその発展としての応用研究を進めている。生化学?分子遺伝分野では、大腸菌や枯草菌のゲノム情報を利用して、鉄硫黄タンパク質群の生合成機構に関する遺伝生化学?構造生物学的研究、膜脂質の生理機能に関する遺伝学?細胞生物学的研究や、細菌と細菌に感染するバクテリオファージの生存戦略や遺伝子発現機構に関する研究、高等植物を用いた細胞壁関連酵素や遺伝子に関する研究を行っている。細胞生理分野では、ラン藻や高等植物などの光合成生物のゲノム情報を利用して、環境ストレス応答に関する研究、膜脂質の生合成?細胞内輸送および生理機能に関する研究、油脂の生産性の向上をめざす研究、細胞膜上の物質輸送体タンパク質の機能解析や光合成遺伝子の発現制御に関する研究、新規顕微鏡法を用いた植物の長距離シグナルの研究を行っている。本プログラムの学生はこれらの研究活動のいずれかに加わり、研究遂行に必要な知識と技術を習得すると同時に、研究成果発表を通じて、論文執筆能力やプレゼンテーション能力を磨く。

分子生物学プログラムのホームページ

生体制御学プログラム

ホメオボックス遺伝子gbx2 (左、1日胚)と、成長因子遺伝子fgf8 (右、3日胚)の、発生中のゼブラフィッシュ脳における発現パターン。

生体制御学プログラムでは、動物?植物?菌類等の様々な生物における細胞、組織?器官、及び個体の各レベルにおける生体制御機構に関する幅広い知識と生命科学の実験技術の習得、これらの知識と技術を活用した課題解決能力のさらなる向上を目的とし、動物の初期発生や脳形成における遺伝子発現制御、性差や学習行動と脳の制御機構との関係、ペプチドホルモンの作用機序、自然免疫と内分泌機構、DNA損傷修復と寿命、環境変化への植物の応答機構等に関する研究を行なっている。本プログラムでは、上記研究を担当している教員の教育研究指導の下、動物?植物?菌類等の生物を用いた先端的研究の専門技術を習得することで、国際的に活躍する研究者や高度専門職業人として生命科学や健康福祉、生物資源の活用などに関わる諸分野の発展に貢献できる能力を培う。

生体制御学プログラムのホームページ

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