埼玉大学研究シーズ集2022-23
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83キーワード金属、酵素、補因子、X線結晶構造解析、PLP、ポルフィリン、クラスター、触媒、酸化還元Niポルフィリン生合成のNi挿入酵素CfbAの立体構造とNi挿入触媒反応金属クラスター含有酵素HCPの立体構造と活性部位のクラスター構造■?研究概要「金属酵素」は、金属イオンや金属化合物を補因子として多種多様な反応を触媒する酵素であり、温室効果ガス「二酸化炭素」の有機資源化合物への変換酵素や、大気汚染物質である「窒素酸化物」を分解する酵素など、実社会に有用なものが多く知られています。現在、それらの産業的利用には、大きな注目が集まっていますが、実際の利用には、金属酵素とその金属補因子の"化学的性質"の理解が必要不可欠です。 私たちのグループは、X線結晶構造解析や化学分析の手法により、様々な金属酵素とその補因子の化学的性質について調べています。特に最近では、ヒトや植物とは異なる「原始的環境の微生物(例:嫌気性細菌や古細菌)」に特有の金属酵素に注目し、研究を進めています。また、得られた知見を基に、実生活に役立つ「高性能酵素」の作成にも取り組んでいます。■?産業界へのアピールポイント●特殊な知識や技術が必要な金属酵素の研究が可能です。●酵素反応中間体のX線結晶構造解析の実績があります。●化学分析の手法による酵素機能解析をおこなっています。●金属補因子の大腸菌での生産系の構築可能性があります。●化学と分子生物学の両方の観点から研究を進めています。藤城?貴史(フジシロ タカシ) 准教授大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域【その他の研究テーマ】●金属クラスター化合物の生合成機構の理解とその利用●金属ポルフィリン化合物の生合成機構の理解とその利用●金属酵素の分子進化と多様性●金属が関わる酵素反応の物質生産への利用金属と酵素、補因子の化学から、環境に優しいモノづくりへ

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