埼玉大学研究シーズ集2022-23
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73キーワード二酸化炭素分離回収、二酸化炭素排出削減、二酸化炭素有効利用■?研究概要カーボンニュートラルの実現に向けて、地球温暖化の要因の一つとされる二酸化炭素の回収技術の研究開発が進められています。化学吸着法は回収技術の一つで、その中心的な従来技術であるアミン系化合物による二酸化炭素の化学吸収法は、有機化合物ならではの揮発性、有毒性及び腐食性等の問題を有しているため用途が限定されていました。当研究室では、これまでにないほどの安価な原料(ナトリウム、鉄、酸素)からなる材料が、幅広い温度域において、大気中や幅広い濃度の二酸化炭素を混合ガスから分離回収できることを見出しました。現在、二酸化炭素の吸収速度の向上、再生技術の開発、回収二酸化炭素の有効利用を進めています。また、本材料よりも優れた機能をもつ様々な無機化合物の探索も進めており、二酸化炭素の吸収材料の用途環境に最適な新規な材料開発を目指しています。■?産業界へのアピールポイント●安全安価な元素のみからなる二酸化炭素吸収材料●広範囲な温度(室温~600℃)における優れた二酸化炭素分離回収能力●広範囲な濃度(0.01%以下~100%)における優れた二酸化炭素分離回収能力●特開2016-3156(α-ナトリウムフェライト類の製造方法;出願人埼玉大学)●代表的投稿論文JournalofCO2Utilization,2018,24,200-209■?実用化例?応用事例?活用例●(活用例)大気中の二酸化炭素除去によるカーボンニュートラルへの直接的貢献●(活用例)微量二酸化炭素除去による気体の高純度化●(活用例)無機固体による工場排ガスから二酸化炭素の分離回収柳瀬?郁夫(ヤナセ イクオ) 准教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域【最近の研究テーマ】●イオン交換現象を利用した二酸化炭素捕獲材料の開発●ナトリウムイオン二次電池用セラミックス材料の開発●温度応答性をもつ色変化無機材料の開発●負~ゼロ熱膨張材料の開発安価で安全な二酸化炭素吸収材料で新たな二酸化炭素制御技術を開発します

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