埼玉大学研究シーズ集2022-23
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49キーワードミリ波,テラヘルツ波,暗黒物質探索,高感度センシング,非破壊検査,力学インダクタンス検出器図1: 暗黒物質探測用の1000素子超伝導検出器カメラ図2:超伝導マイクロブリッジの電子線写真■?研究概要超伝導検出器は,検出器を冷やす冷凍機設備が必要ですが,その欠点を補って余りある感度の高さがウリです.従来の半導体検出器と比べると1000分の1以下の非常に微弱な信号を捉えることができます.私たちは力学インダクタンス検出と呼ばれる超伝導検出器を採用しています.その特徴はミリ波から放射線までの広い範囲に適用できることと,従来の超伝導検出器の弱点の一つであった多素子化も実現できることにあります(図1).天文学や暗黒物質探索などの理学応用に加え,空港などでの手荷物検査や郵便物内容物の非破壊検査など産業化も目指しています.また超伝導検出器と超伝導体の非線形性を利用した超伝導回路を組み合わせることで,今後のポスト5G時代に適応できるテラヘルツ波帯の高性能スぺクラムアナライザやベクトルネットワークアナライザの実現も目指しています.さらに超伝導回路の集積化に必要な超伝導エアブリッジも実現しています(図2).■?産業界へのアピールポイント●半導体の1000倍以上の感度と1000素子以上の多素■?実用化例?応用事例?活用例●X線に代わるミリ波ボディスキャナ用高速高感度検出器●ポスト5Gに向けたテラヘルツ波帯のスペアナ,VNAの実現●赤外領域での光子数検出器●ミリ波から放射線までの広いセンシング範囲●検出器の設計?制作?評価系を一貫開発●テラヘルツ帯での超低損失回路の開発子化カメラ成瀬?雅人(ナルセ マサト) 助教大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子システム領域【最近の研究テーマ】●ミリ波?サブミリ波天文学用の超高感度分光カメラ●暗黒物質探索用の高エネルギー粒子検出器●テラヘルツ波帯のベクトルネットワークアナライザ●超伝導エアブリッジ構造を含むマイクロ波回路超伝導検出器で覗く未知の世界

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