埼玉大学研究シーズ集2022-23
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32キーワード内燃エンジン、デトネーション、爆轟、衝撃波、燃焼、ガス爆発、超音速流れ、Pressure?Gain?Combustion、圧力利得燃焼<内燃エンジン応用を目指したパルスデトネーション燃焼<デトネーションを利用した圧力波(爆風)生成試験装置>■?研究概要通常、燃焼の前後では温度が大きく上昇しますが、圧力はほとんど変わりません。燃焼によって温度と圧力の両方が上昇すれば、既存の燃焼技術を上回る性能や、新たな技術応用が期待できます。内燃エンジンではPressureGainCombustion(圧力利得燃焼)と呼ばれる燃焼技術が近年注目されており、その基礎現象として有力なのがデトネーション(爆轟)です。これは可燃性ガス中を秒速2~3kmで進行する爆発的燃焼であり、衝撃波と燃焼が一体化した性質により非常に高い温度(~3000K)、圧力(~数10気圧)、流速(~1000m/s)を生成します。私たちはデトネーションを燃焼器内で連続的に発生させ、その爆発的なエネルギー発生を内燃エンジンへ応用する技術を研究しています。これにより、一般に熱効率の向上が難しい小型の内燃エンジンにおいて、燃焼技術の革新によって高効率化を図ることを目指しています。また、デトネーションの特徴を活かした応用技術全般に関心を持っています。前田?慎市(マエダ シンイチ) 准教授大学院理工学研究科 人間支援?生産科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】●デトネーション燃焼器壁面への熱負荷の評価●デトネーション駆動?高速ガス銃の開発●デトネーション駆動?爆風シミュレータの開発●流路壁面粗さがデフラグレーション?デトネーション遷移現象に与える影響●極超音速飛行体周りに形成される衝撃波誘起燃焼やデトネーションの発生機構器試験装置>■?産業界へのアピールポイント●デトネーションは瞬間的に高圧?高温?高速の燃焼ガスを生成できます。●デトネーションを利用すれば、マッハ数5~7の強い衝撃波を空気中に生成できます。●基礎研究に立脚したデトネーション制御技術を有しています。●超高速度カメラを用いた衝撃波、超音速流れ、燃焼の可視化観測を行っています。●爆発安全技術として、デトネーションの抑止技術の研究も行っています。■?実用化例?応用事例?活用例●空冷式パルスデトネーション燃焼器●デトネーションを利用した圧力波(爆風)生成試験装置●デトネーションを利用した高速物体射出装置(~秒速2.5km)●デトネーションの抑止機構(デトネーション?アレスター)デトネーション(爆轟)を用いた新しい燃焼技術による内燃エンジンの性能向上

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