埼玉大学研究シーズ集2022-23
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20キーワードポストCMOS、スピン角運動量、スピン流、交換相互作用、電子-正孔補償金属スピン角運動量をバトンにしたリレースピン反転を伴う電子-正孔散乱■?研究概要携帯型情報処理機器などが、太陽電池だけで動作できれば、とても便利です。それには、デジタル製品の消費電力を格段に下げるのが有効です。スピン流はジュール熱発生を伴わないので、省エネルギーの情報記録?伝達手段として、大変魅力的ですが、スピン角運動量が電荷と異なり、保存できないことがボトルネックになっています。私たちは、この問題を解決する原理として、電子間のスピン交換相互作用に注目しています。この原理によれば、リレー走者が次の走者にバトンを手渡すように、電子間でスピン角運動量を受渡すことによって、スピン情報を輸送することができます。その結果、スピン角運動量が実質的に保存され、デジタル情報の記録、演算、および伝達が極めて容易になることが期待されます。例えば、ポストCMOS論理演算素子や半揮発性スピンメモリーに応用できます。■?産業界へのアピールポイント●スピン角運動量の保存量化に有望な材料は、電子-正孔補償金属です。この材料は元素金■?実用化例?応用事例?活用例●情報の暗号化?復号化に必要な論理演算ゲート、半不揮発性メモリー、磁気的ランダムアク●従来技術で論理ゲートを構成するには、約20個のMOSトランジスタが必要ですが、私たちの目指す技術では部品数を約10分の1に減らして単純化できます。DRAMに応用すれば、その通電時間を従来の10分の1にできると考えられます。属でさえ10数種類、合金まで含めるとその種類は非常に多いです。セスメモリー、ノーマリーオフコンピューティング酒井?政道(サカイ マサミチ) 教授大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子システム領域【最近の研究テーマ】●オール金属材料によるスピン流の完全無損失化●次世代デジタル技術を指向した電子間交換相互作用にもとづくバトンリレー型スピン中継スピンを利用したキャリヤ間バトンリレーで情報処理

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