埼玉大学研究シーズ集2022-23
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101キーワードゲル、タンパク質材料、細胞、セルソーティング、がん、培養A: 架橋した微小管をキネシンで駆動する「運動ゲル」、B: ゲルの蛍光像、C: 揺らぎで動かす微粒子の軌跡D: 「運動ゲル」による細胞の力学刺激の蛍光像、C: 揺らぎで動かす微粒子の軌跡■?研究概要生物はしなやかな運動が可能ですが、その動力源となっているのはモータータンパク質です。各々の分子は、数ナノメートルずつしか動きませんが、おびただしい数の分子が協調的に作用することで、生物はバクテリアからクジラまで幅広いスケールの運動を実現しています。精製したモータータンパク質「微小管とキネシン」を用いて、ネットワーク状に架橋して動かすことで、分子(ナノメートル)よりも大きなマイクロメートルの大きさで揺らぎ運動を発揮する「運動ゲル」材料を開発しています。■?産業界へのアピールポイント●ナノ~マイクロメートルの「揺らぎ運動」を発現するユニークな分子システム●良分解性、生体親和性の高い材料■?実用化例?応用事例?活用例●接着性による細胞の新しい分類/検査法(将来の診断技術へ発展の可能性)●細胞培養基材の開発●自己組織化、分子運動を利用したナノ/マイクロ材料の開発川村?隆三(カワムラ リュウゾウ) 助教大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域【その他の研究テーマ】●カーボンナノ粒子材料の開発●タンパク質凝集の解明●細胞接着、細胞運動の観察と解析●運動タンパク質材料の力学計測運動ゲルの「微小な物体を揺らす性能」を医工学に活かす研究をしています。生体内で細胞を取り巻く微小な力学環境も「動的」であることに着目し、アクティブな環境を人工的に再現して細胞の未知なる挙動を見えるようにする応用に挑戦しています。将来、がん細胞の転移性を運動性?力学特性から見分けることが可能になるかもしれません。ミクロの揺らぎで細胞の未知なる働きを導くゲル材料

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