埼玉大学研究シーズ集2022-23
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93キーワード糖鎖、次世代抗体、高分子科学、分子認識、多価効果<糖鎖の価数活性相関><多価型VHH抗体の抗原認識>■?研究概要「三人寄れば文殊の知恵」という諺は、平凡な人でも集まって協力すれば1+1が2以上になることを伝えています。このような集団効果は人間社会のみならず分子レベルのミクロな世界にも存在しており、例えば細胞表面を産毛のように覆う糖鎖と呼ばれる分子で良く研究されています。糖鎖は相手分子(糖結合タンパク)と相互作用してくっつくことで細胞同士の接着や細胞間の情報伝達に関与しています。糖鎖1分子では力が微弱なので相手分子にくっついてもすぐに離れてしまいますが、糖鎖が3分子集結すると数は3倍ですが力は200,000倍にもなり、相手分子にくっついたら離れにくくなります。これが多価効果です。現在、糖鎖や次世代抗体を集積化した人工分子について研究しています。それらと相手分子との相互作用が多価効果で指数関数的に強化されることでがんや感染症の早期診断につなげたいと考えています。■?産業界へのアピールポイント●生体分子を多価化するためのプラット■?実用化例?応用事例?活用例●次世代抗体の多価化による酵素免疫測定法の高感度化●糖鎖分子の多価化による糖鎖認識タンパクとの相互作用増強●特許の出願実績があります。フォームを持っています。松下?隆彦(マツシタ タカヒコ) 助教大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域【その他の研究テーマ】●抗インフルエンザウイルス薬のプロドラッグ化●次世代抗体を用いた二重特異性分子の開発●高感度イムノクロマト検出系の研究●標的指向性ドラッグデリバリーキャリアの開発生体分子の多価化による高感度化?高機能化

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